つぶやき「VIP メールの差出人」

全ての始まりが妻に送られた差出人不明の一本のメールでした

「チームの中にあなたの夫の愛人がいます」

この日から 妻は眠れない日々が続き 心を乱していったのです

最初はメールの事は夫に黙って知らぬふりをして 接しようと努力していましたが やはり頭から離れずに苦しんでいました

妻は心を決め 夫にメールの内容が真実なのかどうかを訊ねました

妻は「あなたがその手で彼女に触れたのかと思うと・・・愛していると囁いたのかと考えると おかしくなりそうなの」と訴えました

「でも考えることを止められない だから知りたい」と

夫は俯きそれを認めた形になりました

こんな状態で一緒には暮らせない ホテルに泊まるという妻に対して

「 君は家にいて　僕が出ていく」

そう言って夫は家を出ました

この時点では妻はまだ浮気相手が誰なのかは知りません

夫はメールを見せられて「誰が・・」と呟きます

送信日と時間 そして妻のパソコンから送信されていたことが分かっていたので その時間に会社にいた人物を調べました

そして　　わかったのです

その人物は 愛人のユリだった！

夫はその事実に茫然としました

まさかという事態に衝撃を隠しきれずにいたのです

そして そのデータを消去してしまいます

妻が調べることは分かっていたのでしょう　それは絶対に知られたくない事実だったのです

メールを送ったのがユリだということ　それが持つ意味は 夫の相手がユリであるという事に繋がるからです

夫はなによりもユリの事を隠したかったのです

それはユリに仕事を教えていたのが妻でいつもやさしく接していたからでした

この事実を知った夫はある夜ユリに

「妻は十分傷ついている 相手が君だとわかると一生傷が残る　それだけはしたくない　ボクは二度と戻らない　別れてくれ　頼む」そう告げたのでした