韓国ドラマ「君を覚えてる」を観て
2015年韓国KBC放送
配信全16話（1話 約1時間）
「簡単あらすじ」
20年前 イ・ヒョンは父親を殺害され その日に弟のミンも行方不明になり そしてヒョンも倒れて記憶を失くしてしまった。
20年後 ヒョンはニューヨーク ジョンカレッジの准教授をしている。
また天才的なプロファイラーでもある。
その彼の元に 母国で起きたある殺人事件の詳細が書かれた 差出人不明のメールが届いた。
彼はそれが “なにか” を告げるメッセージだと受け止め 帰国する。
その事件現場で彼は 警察の臨時部署「特殊犯罪捜査チーム」の刑事たちを前にプロファイリングし 皆を驚かせた。
その中に唯一の女性刑事チャ・ジアンがいた。
ジアンはヒョンと子供の頃に出会っていて 彼をストーカーの様に追いかけ 観察してきた。
しかし ヒョンはその頃の記憶が断片的でジアンを思い出せなかった。
捜査チームは次々に起こる事件を追いながら 犯罪を未然に防ぐため また 事件後の犯人特定や動機などを探るために ヒョンの力を借りて捜査にあたる。
実は ヒョンには帰国したもうひとつの理由があった。
子供の頃に出会ったある人物を探していたのだ。
父親の死にも関係する人物で それはジアンにも深く関わる人でもあった。
事件の捜査をする中で 徐々にその人物に近付いて行くヒョンとジアン。
更に 行方不明の弟の存在も明らかになっていく。
しかし そこには知らなければならない現実が待っていた。
感想
プロファイリングという事もあって 頭の中の読み合いというシーンが多かったですね。
監察医とヒョンと若い弁護士が 話す時には まるで相手の考えが 文字にでも表れているのかと思うほど 的確に言い当てています。
そして 目の奥を覗き込む様な探り合いに緊張感がありました。
ヒョンは子供の頃に イ・ジュニョンという所謂サイコパスと呼ばれる犯罪者に会っていました。
そのジュニョンにこんな事を言われていたのです。
「人間には決定的な時期がある 脳が成長して完成する時期」
「この時期に脳に刻み込まれると もう変えられない」
「これを 魂が作られる時期と呼んでいる」と。
「人間なら10歳から12歳位迄だ」と。
丁度その年齢だったヒョンは彼の言葉に聞き入っていたのです。
ヒョンは子供の頃に 父親が自分の事を「怪物」だと思っている事を知ります。
父親がそう思うようになったのは ヒョンが庭で何かを埋めている様子を見たのですが それは動物でした。
また 奇妙な絵を見つけ その場にいた弟に誰が描いたのか？と聞いたところ「お兄ちゃん」と答えたのです。
そして「お兄ちゃんを信じちゃいけないよ」と弟は言ったのです。
ヒョンは並外れた頭脳を持っていたため 賢さが時には恐怖を感じる言動にも繋がっていたのかもしれませんね。
父親がそんな彼を守るため そして彼から世間を守るためにと学校にも通わせず隔離したのです。
そんな過去を持つヒョンですが 本当に彼は父親が思うような「怪物」だったのか・・
実は 本当の「怪物」は他にいたのではないのか？
そう思わせる展開が待っていました。
子供の頃に刻み込まれてしまった体験が 人をゆがんだ方向へ作ってしまった そんな人が出てくるドラマでしたが 根底にあったのはどの人も「淋しさ」だったように思いました。
そして「愛」を求めていたようにも感じられましたね。
ドラマの中に絵本が出てくるのですが 二匹の狼が人間の心の中にいていつも争っているというお話です。
悪い狼はー嫉妬・妬み・傲慢・怒り・劣等感を持っている
良い狼はー平和・喜び・愛・希望を持っている
その二匹の狼は争いが絶えないと。
こどもが質問します「どっちが勝つの？」
答えます「おまえが餌を与える方だよ」と。
なんだか怖いですよね。
でもこのドラマを象徴するかの様な 絵本の言葉でもあったと思います。
行方不明だった弟は 実は近くにいたのですが 兄のヒョンは記憶を失くしていたために 弟が出すサインに気付けずにいたのです。
でも やがて気付き 誤解から兄を恨んでいた弟も 一緒に居ることで段々表情が 子供の頃の様になっていくのですが 何故かそこには悲しみが漂いましたね。
犯罪者はどうやって作られるのか？という問いがありましたね。
心の闇には作られた原因があって それはもしかしたら遺伝なのかと 恐れる人物もいました。
最初は取っ付きにくいドラマかなと思って観ていましたけれど 目が痛くなる程見入ってしまいました。(^-^;
ヒョンとジアンの関係も 気になりましたね。
ヒョンはとにかくいつもジアンには冷たい態度なのですが 徐々にふたりの距離は近づいていくのです。
16話と観やすい長さも良かったです。
面白かったですね☆
最後まで読んでいただきありがとうございました♪
