韓国ドラマ「秋の童話」を観て
2000年 製作
配信 全 18話 (1話 約 51分)
「簡単あらすじ」
ジュンソとウンソは両親の愛を受けた仲の良い兄妹だった。
ある日 下校途中ウンソが交通事故に遭い緊急搬送された病院で手術が必要になった。
輸血が必要になった時の為にと両親は採血に応じるが そこでウンソの血液型が自分たちと違うことが判明した。
父・母は共にO型でウンソはB型だった。
O型の両親からB型の子供は生まれない。
実は母が出産した当時の病院で ベッドに付けられていた名札がすり替わってしまったのだった。
それは故意ではなかったが ウンソともうひとりの女の子の運命がその日から大きく変わる事になったのだ。
自分たちの子供ではない事が分かり 父は本当の娘を探す事にするが 母は溺愛していたウンソだけに苦しむ日々を送る。
そして両親の会話を聞いてしまった兄のジュンソも衝撃を受ける。
やがて実の娘も見つかり その事実が学校にも知られる事となり ウンソに対する同級生達の態度も変わってしまう。
ウンソは実の母親の元へ行く事を決心し家を出た。
感想
純愛を貫いた恋物語でしたね。
兄妹である事を疑いもせず過ごしていたふたりでしたが 事実が判りその後 両親は実の娘シネと兄ジュンソを連れアメリカへ渡りました。
ウンソは産みの母親と暮らすのですが 父親は既に亡くなっていて働かない兄がひとり居ました。
海辺の小さな食堂で母を手伝いながら日々を送るのですが 素直に育てられたウンソは実の母親に対しても優しく接していましたね。
大人になったジュンソとウンソは再会しますが その時ジュンソにはユミという婚約者がいたのです。
そしてウンソには彼女に興味を示す男性テソクがいました。
テソクはジュンソの親友でした。
こうして4人が出会ったのです。
兄だったジュンソは子供の頃からウンソが好きだったのです。
そしてウンソもまたジュンソが好きで初恋だったのですね。
それは兄として慕い 妹として愛おしむ感情なのだと疑わなかったのでしょうけれど きっと説明のつかない感覚があったのかもしれませんね。
本人たちにも気づかない程の。
ジュンソは画家としてまた大学の講師としての仕事がありました。
ウンソはホテルで電話交換手をしていましたが テソクが彼女を気に入り自分専用の客室係にしたのです。
テソクはプロゴルファーでありそのホテルの一室で生活をしていました。
そして彼はまたホテルのオーナーの末息子でもあったのですね。
ですからその力を利用してウンソの配置転換までもしてしまうのです。
テソクは次第に彼女を本気で愛する様になるのですが ウンソは全く興味を示さないのです。
彼女を振り向かせたいテソクの本気度は増すばかりで 少し切なさがありましたね。
再会したジュンソとウンソでしたが ふたりの想いは深かったのです。
婚約者がいるジュンソも次第にユミと距離が出来始めます。
こんなシーンがありました。
ジュンソがアトリエ兼住まいとしている場所にウンソが訪れ 事情があって少しの間一緒に暮らすことになるのです。
そんな夜 ユミと会っていたジュンソは彼女を滞在先のホテルまで送るのですが ふたりは話しながらゆっくり歩いていました。
そしてユミを見送ると ジュンソは一歩二歩と進みますが突然走り出すのです。
ウンソの元へ急ぐのです。
それは 彼女に「おやすみ」を言う為に。
実の子ではないと知った日からウンソの生活も人生も一変しましたね。
でもなによりも辛かったのはやはりジュンソと会えない日々だったようです。
ジュンソも同じで10年ぶりに帰国した時 一番に訪れたのはウンソと過ごした思い出が詰まった場所でした。
一緒に自転車で通学していた道や 雨宿りした倉庫の屋根の下。
トンネルや遊んだ川。
ジュンソは嬉しそうにその時間に浸っていましたね。
でも再会したふたりに訪れたのは幸せばかりではありませんでした。
お互いへの想いが強く離れたくないという気持ちが やがては周りの人たちを傷つけていく事になるのです。
兄妹として育ったけれど血の繋がりはないのです。
でもそんなふたりを手放しで喜んでくれる人はいませんでした。
ふたりの前途は多難でしたが 苦しんだのはジュンソとウンソだけではなかったですね。
彼を愛する婚約者のユミも 片思いだけれど諦められない彼女への想いを持つテソクも それぞれとても苦しみました。
ジュンソとウンソは決して変わることのない強くて深い愛を持っていました。
結末は悲しいものでしたが 私が一番可哀想だと思ったのはテソクでしたね。
彼のウンソへの愛は本物でした。報われないと知りながらも彼女に手を差し伸べ続けたのはテソクでした。
そしてまた親友のジュンソの思いも知り苦しむのですが 自分の気持ちも捨てられずにいましたね。
ジュンソとウンソを囲む環境は ふたりを結ばせるものではありませんでしたが それでもふたりの「心」は固く結ばれていてそれは誰も引き離す事など出来ない強さがありました。
運命という言葉を感じさせられましたね。
ただ 未来のない終わり方ではあったと思いますが ふたりにとってはお互い変わらぬ想いを確認でき 信じ合える絆を持ち最期までその愛を貫いた事は 決して悲恋ではないと感じましたね。
悲恋というなら叶わない想いを断ち切れずに苦しんだ テソクとユミの様な気がしました。
このドラマは四季シリーズの一作でした。
- 秋の童話 2000年
- 冬のソナタ 2002年
- 夏の香り 2003年
- 春のワルツ 2006年
どれも背景がとても綺麗ですね。
ジュンソとウンソのシーンではいつも「禁じられた遊び」が流れていました。
ふたりの愛を物語るには十分すぎるギターの音色でしたね。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪