韓国ドラマ「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」を観て
2018年
配信全36話(1話約37分)
「簡単あらすじ」
高級住宅街「SKYキャッスル」
そこは富・名誉・権力を手にした者だけが住む事が出来ると言われている。
大学教授・医師・名門進学校に通う子供たち・有名医大を目指す受験生等がそれぞれの家族の中にいる。
SKYとは
S→ソウル大学
K→高麗(コリョ)大学
Y→延世(ヨンセ)大学
の頭文字。
子供を名門大学に合格させる為に奔走する母親。
ピラミッドの頂点こそが目指す地位だと教える父親の居る家庭。
名門医大合格こそが全てと信じる親子。
見事一流大学の医大生となった息子を自慢する家庭。
子供の進学の為に全身全霊を傾けていく親の姿がある。
しかし ある夜事件が起こった。
名門ソウル医大に合格した息子を持つ母親が自殺したのだ。
住人達は強い衝撃を受けるが 後にその家族に潜んでいた苦悩が一台のパソコンに遺された日記により明らかになる。
そしてSKYキャッスルに新しい住人が引っ越して来た。
名門・一流だと豪語する住人達とは価値観の違う一家だった。
また 受験戦争に勝つために依頼した入試コーディネーターと ひとりの女子高生の存在が やがて大きな嵐を齎(もたら)すことになる。
感想
中盤から終盤に掛けてかなり引き込まれましたね。
予想外の展開がありました。
整形外科医の夫カン・ジュンサンと専業主婦のハン・ソジンには娘が二人います。
長女は成績が良く名門ソウル医大を目指している負けず嫌いです。
次女は奔放ですが内面に良い面がある中学生です。
母親のソジンは長女を医大に合格させる事が目標であり 夢でもあるのですね。
その為の情報収集も怠りません。
また義母からソウル医大へ行かせる事が嫁の役目だと言われていました。
理由は息子も夫も医者であり孫で3代目となる事で医者の家系を守りたい義母の信念でもあったのです。
同じ医師である近所のウ・ヤンウと妻のチン・ジニ夫妻にはひとり息子がいます。
息子はおっとりとした性格で甘えっこですね。
勉強にも積極的ではないのですが 母親が彼のおしりを叩いて机に向かわせています。
医大の教授をしているパク・スチャンと妻のイ・ミョンジュには息子がひとりいます。
彼はソウル医大に合格しました。
日頃から行き来している近隣の住民達によって合格パーティーが開かれました。
その席上で両親の誇らしげな表情に笑顔を見せる息子でしたね。
元検事出身でロースクールの教授をしているチャ・ミニョクと妻のノ・スンヘには渡米している長女と受験を控えた双子の息子がいます。
夫はトップの地位こそが人生の幸せを掴める場所だと信じています。
ふたりの息子には徹底したスパルタ教育で 知識を植え付け様と必死なのです。
家には防音設備のある部屋で勉強をさせ 試験では前回より1点でも低いと言葉で彼らを追い込みます。
妻は鍵が掛けられてしまったその部屋の前で不安を抱えて立ち竦んでいるのです。
この様な4組の家庭がありました。
そうしてある日 その内のひとつの家庭に悲劇が起こりました。
医大教授の妻イ・ミョンジュが自殺したのです。
息子がソウル医大に合格した後の事でした。
母親が自殺する前に息子は一時家を離れました。
後日悲報を受け母の眠る墓前で肩を震わす息子です。
でもその息子を見つめる父親の目は何故か厳しく憎しみさえ感じる視線でした。
母親を自殺にまで追い込んだ理由がこの一家にはあったのですね。
その後夫は仕事を辞め息子は行方が分からなくなったのです。
幸福そうに見えた親子の裏側には息子の激しい苦しみと家族の葛藤の日々があったのです。
そしてその子が敢て削除せず書き残していた日記がノートパソコンの中に置かれていました。
それを見つけたのがハン・ソジンでした。
受験間近になると ” VVIP ” 顧客に招待状が届く事を知らされたソジンです。
この情報は生前のミョンジュが教えてくれたのです。
その時に彼女から密かに招待状を受け取っていたソジンは会場へ向かいました。
そこは表面上は投資の説明会なのですが 実際は富裕層の顧客と 受験には絶対的に必要な入試コーディネーターを繋ぐ極秘の場だったのですね。
コーディネーターと子供の相性が合えば名門校への合格率は100%だと言うのです。
そうして出会ったのがコーデ(入試コーディネーター)キム・ジュヨンでした。
彼女の手に掛かると100%の合格が約束されると言われているのですが
引き受けるのは僅か2名だけなのです。
狭き門でしたが 面接を受けソジンの娘は彼女の指導を受ける事になったのです。
キム・ジュヨンは合格の為に徹底した成績管理をし全て自分を信頼して一任する事をソジンに約束させました。
母親として娘の健康管理だけする様にと言われます。
ソジンは満足げに頷きましたが 実はこのキム・ジュヨンによって後の娘の人生が狂わされる事になるのです。
そしてあの名門医大へ合格していたミョンジュ(自殺をした知人)の息子のコーディネートをしていたのもキム・ジュヨンだったのです。
担当する親から莫大なお金を受け取りそれに見合うだけの結果を出すまでが彼女の役割でした。
合格するまでです。
一流大学への高い壁を超える為に彼女がこれまで行ってきた方法がありました。
ソジンの娘にはライバルがいましたね。
塾へも行かず暮らしも豊かではないのですが 成績はトップクラスのヘナという女子高生です。
その子の存在が目障りでしかたのない娘でした。
ヘナは母親とふたりで暮らしていますが母は重い病気であまり長くは生きられないのですね。
ヘナは気丈に母親に接していました。
その母が亡くなり独りになったヘナでしたが 遺品を整理している時に一枚の写真と母の携帯電話、そして最後に送信されたメッセージを見つけたのです。
そこでヘナは自分の父親が生きている事を知るのです。
母親とその男性が恋人同士である事が分かる 若い時の写真でしたが ヘナはその男性が誰であるかすぐに気づきました。
彼女は実の父親であり現在はふたりの娘を持つ親でもあるその男性の元に近づくのです。
亡くなった母の事は話さずに異母兄弟になる娘と親しくなり やがては同居するまでになるのですね。
でもこの行動 そしてヘナの存在が悲劇をもたらすのでした。
母親が自殺をした一家が去りその後に引っ越して来た家族がいました。
この一家は成績や名門校等には拘りがなく 寧ろ子供の意思に任せるという教育方針でしたね。
父親は無名の医大卒でしたが専門分野で最高論文賞を受賞し 腕の良い神経外科医でした。
母親は童話作家です。
ひとり息子は家庭教師も付けず塾にも通っていませんが成績優秀で人柄もよくクラスでも信頼を得ている好青年でしたね。
この一家がSKYキャッスルに住む住人の中で少し浮いている状態なのですが 徐々に彼らが信じ込んでいた価値観にも変化を及ぼす様な存在になっていくのですね。
でもそこへ辿り着くまでには犠牲と大きな痛みが伴うのです。
自分が信じて生きる為の支えにしていた価値観が崩れた時 人は壊れてしまうのでしょうか
でも人間として本当に大切な物はなんなのかと自分に問う事が出来き それまで自分にとって最も「大切で価値がある」と信じていた形に対して疑問を持つ事が出来たのなら その気付きこそが大きな価値であると感じましたね。
名門を目指す事は悪い事でも間違った事でもないけれど それがその子自身の目指したい場所なのか? 親の欲がそうさせているのではないのか?
親としては自分が信じている方向が子供の将来の為でもあると確信があるのでしょうね。
その親たちの心情を利用し心の隙間に入り込む人間は確実にいますね。
そしてその人にも過去があり後悔があり間違った選択をしてしまうという ある意味侘しさを感じるシーンもありました。
ひとりの母親が子供達に向けた言葉が印象に残っています。
“ 自分と戦いなさい。
人を相手に戦えば孤独になる。
寂しくない人生が 成功だと思うわ “ と。
面白かったです☆
最後まで読んでいただきありがとうございました♪