韓国ドラマ「白雪姫には死を~BLACK OUT」を観て
2022年
配信全14話(1話約64分)
「簡単あらすじ」
女子高生のボヨンとダウンが同じ夜に殺害された。
しかし遺体は発見されない。
容疑者とされたのは彼女たちの同級生コ・ジョンウだった。
事件現場には彼が運転していたとみられる車があり自宅から血痕と現場の泥が付いた靴が見つかった。
ジョンウはその夜泥酔して警官が来た時には寝ている状態であり 両親は海外へ行って不在だった。
突然の逮捕に身に覚えがなく抵抗するが当時警察で課長をしていた知人がなんとか宥めて連行した。
しかし連日の不眠を強いられる取り調べと 自分自身も事件当初酔っていた為無実を訴えるには確信を持てずにいたのだ。
そうして自白を強要され覆すだけの証拠も見つからずジョンウは逮捕後裁判を受け懲役10年の刑が確定した。
彼は医学部への進学が決まっていたがそれも叶わなくなった。
また刑期中に父親が病気の為他界した。
母は10年間で一度だけ面会に訪れたがその後一度もジョンウの顔を見る事はなかった。
またそれまで親しかった友も面会には来なかったのだった。
やがて刑期満了を迎え出所した。
彼を待ち受けてくれたのは友人のドンミただひとりだった。
彼女は何度も面会に出向きジョンウはその時だけは少しの笑顔になっていたのだ。
友人の中に絵を描くことが好きなスホ(自閉症を患っている)がいた。
彼は見たままを記憶し描写出来るのだ。
スホは出所したジョンウに一枚の絵を手渡した。
それを見たジョンウは表情を変えた。
彼は自分が本当にふたりを殺害したのか・・その真相を突き止める事にするのだった。
感想
絵を見て何かに気付いたジョンウでしたね。
そんな中でした。ジョンウの母親が陸橋から転落し重症を負い病院へ搬送されたのです。
出所後ジョンウが一番最初に会いに行った人が母親でした。
ですがこう言われたのです。
「もう二度と会いに来ないで」
「私が死んでも来ないで」と。
それは被害者となった親御さんの心情を想っての言葉だったのですね。
あの人たちはどんなに子供に会いたくても叶わないのに 自分が息子に会う事等出来ないという理由でした。
母親は息子の罪を背負ってどんな事にも耐えて生きて行くと言うのです。
出所前に父親がジョンウに会いに行ってやれと母に言っていましたが やはり母は断ったのです。
そしてこの地を離れて暮らそうと言う父に対しても母は反対しました。
それは離れるという事は息子の罪を認めた事になるからだというのです。
心の中では殺人を犯すような子供ではないと信じつつも その一方で子供を亡くした親がいる事に母親としての罪の意識を抱かざる得なかったのですね。
その後父親は病気で亡くなり母はひとりでこの地に残ったのです。
穏やかで狭い地域での出来事だったので母の働く食堂へ被害者の親も来るのです。
そして嫌がらせや罵声を浴びせられるのですが一言の反論もせず抵抗もせず全てを受け入れる母だったのです。
その母が瀕死の状態であると知らされ病院へ向かったジョンウでした。
ソウルで暴行事件を起こし左遷された刑事が村の警察署へ赴任して来ました。
ノ・サンチョル警部。
彼はジョンウの母親の転落事故を担当するのですが 刑事たちは自殺の疑いを持つのです。
しかしサンチョルは疑問を投げかけるのですね。
そしてジョンウの友人でもあるビョンムと組むことになったのです。
防犯カメラの確認に依って参考人として事情聴取を受けたのがジョンウに殺害されたというボヨンの父親でした。
彼は母親を陸橋から突き落としたと自白したのです。
娘を殺された恨みを母親にぶつけたのでした。
ですが後日証拠不十分で釈放されたのです。
ジョンウはこの村に於いて人殺しの烙印を押され何処へ行っても冷たい視線や言葉を浴びていたのです。
遺体無き殺人事件として世間の注目を浴び服役していたジョンウでしたが 偶然犬が咥えて置き去りにした骨がある事を知るのです。
それを見つけたのがこの村でアルバイトをしていた女子大生のハ・ソルでした。
医学部を休学して旅をしていた時に村を気に入り食堂で働いていたのですね。
その情報を受けジョンウはソルと共に骨の見つかった場所へ向かったのです。
そしてそれが行方不明だったボヨンだと判明したのです。
ジョンウはショックを受けもう一人の不明者で学生時代好きだったダウンを探そうと決めたのです。
その彼の行動に疑問を持ったのがサンチョルでしたね。
彼も当初友人二人を殺害したとされるジョンウを軽蔑していたのですが ジョンウの「自分が殺していないという記憶を見つけたいんだ」という訴えに一瞬言葉を失うのです。
ジョンウはどんなに酷い仕打ちを受けてもあの夜酔って記憶の無い中 殺人犯にされ無実だという確信が無く服役していたのですが そのブラックアウトの状態からなんとか自分は殺していないという確実な記憶を探していたのです。
その姿にサンチョルはあの事件の記録を自分で確認するのです。
そして辻褄が合わない箇所を見つけたのです。
犯行時間やその後被害者ふたりを別の場所に遺棄したと見られる為要する時間の説明。
逮捕から送検・結審までの流れの速さに疑問を持つのでした。
同じ頃一人で事件を探るジョンウも同じ疑問にぶつかったのです。
サンチョルは再捜査を願い出るのですが確たる証拠が出ず拒否されるのです。
サンチョルはあまりにも早い事件の解決と刑の短さに疑問を感じ署長の元へ出向きました。
事件の内容から普通は逮捕から容疑が固まるまで短くても3ヶ月から6ヶ月は掛かるところ 僅か2ヶ月で決着を見たのです。
自白を急がせた事も未成年のうちに認めさせ減刑させる様署長が助けたのではないかと訊ねたのでした。
しかし署長から明白な返答は得られなかったのです。
サンチョルはどこか納得がいかない様子でしたね。
ジョンウが出所してからどこかざわつき始めた村でしたが 彼を子供の頃から知る大人達はなんとか村から追い出そうと躍起になるのです。
ですがジョンウはまだ不明のままのダウンを見つける為 そして未だ意識が戻らない母親の為にこの土地を離れるわけにはいかなかったのです。
サンチョルはそのボヨンの遺品の中に無かった物に違和感を覚えたのです。
それは下に付ける下着だけがなかった事でした。
その疑問を当時の担当刑事に訊くのですが昔の事件だとして一蹴されるのです。
署長の息子であるスオの双子の兄ゴノがアメリカから帰国したのですが 彼の登場でジョンウの事件の真相が明るみになるのです。
彼はアルコールに頼らなければならない程大きな秘密を持っていたのですね。
それは女子高生殺害の被害者ボヨンに関わる事でした。
彼はボヨンの遺品の一部をずっと隠し持っていたのです。
その中に携帯電話がありそれをジョンウに渡したのです。
ジョンウは何故ゴノがボヨンの遺品を持っているのか・・殺したのはゴノなのかと訊ねますが彼は首を横に振るのです。
そしてただジョンウに謝り続けるのでした。
しかしその数日後の事でした。
ゴノは自殺したのです。
父宛に遺書を残しそこには僕を殺したのはお父さんだと書かれていました。
携帯電話に収められていた動画を再生したジョンウは驚きを隠せませんでした。
それはボヨンが撮ったものですが映されていたのはジョンウの幼馴染の同級生ふたりの姿だったのです。
現在警察官であるビョンムと看護師のミンスでした。
受刑中一度も面会に来なかった友人達でしたが 出所後ジョンウに声を掛けてくれたふたりだったのです。
そしてまた動画にはボヨンの最後の姿もあったのです。
彼らは事件の夜ボヨンに性的暴行を加えていたのです。
その結果逃げ出した彼女は階段から転落し死亡したと思い込んだのです。
ゴノは友人達と一緒だったのですが犯行時間はその場にいなかったのですね。
でも戻り事態に衝撃を受け咄嗟にボヨンの持ち物を隠してしまったのでした。
そしてそれぞれの親を呼び事の顛末を話し 遺棄に手を貸したのがビョンムとミンスの父親だったのです。
更にそこでまだ息のある事に気付きミンスの父が彼女を殴り殺したのでした。
そして隠蔽工作の指示を出したのがゴノの父親である署長だったのです。
証拠を捏造しジョンウに罪を被せ 未成年である事で減刑を見越し 出所後村を追い出すつもりでいたのです。
ジョンウは殺人など犯してはいなかった!
そしてもうひとりの不明者ダウンについて 彼女が殺害された現場には目撃者がいたのでした。
それはジョンウの元にただひとり面会に訪れていた同級生のドンミでした。
しかし直ぐには名乗り出なかったのですね。
ドンミはジョンウに対して異常で歪んだ執着心があったのです。
彼女が隠し撮りした動画にはドンミを殺害する病院長パク・ヒョンシクの姿が映っていました。
政治家の妻は彼の女性問題に目を光らせていたのです。
ジョンウは無実である事 ずさんな捜査を謝罪した署長ですが まだ未解決の部分があったのです。
ダウンの遺体が見つかっていない事でした。
しかしそれはショッキングな形で発見されるのです。
そしてその遺体の傍にはスオがいたのです。
意外性がいくつもあるドラマでしたね。
自分の子供の罪を隠し無実の人に罪を擦り付け10年間も時間を奪い そして身体両面に深い傷を付け 罵倒され侮辱され続けたジョンウは本当に救われるのかと思いましたね。
幼馴染にも裏切られていたという真実はかなり残酷だったと思います。
内容は暗く重たいですが印象深いドラマでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪