韓国ドラマ「愛人がいます」を観て
2015年
配信全50話(1話約64分)
「簡単あらすじ」
妻は義父が会長を務める製薬会社の法務チーム所属弁護士 ト・ヘガン。
夫は大学院の研究室で働くチェ・ジノン。
1年前幼い一人娘を事故で亡くしていた。
その頃を境に夫婦の間には溝が出来 それは更に深くなるばかりで二人の距離は離れて行った。
娘の死後妻は血も涙もない冷酷な弁護士と言われ 娘を亡くした感情も表に出すことが無かった。
まるで娘の事を忘れたかの様に仕事に没頭し変わっていった。
夫は未だ娘を亡くした苦しみの中にいた。
やがて夫は冷たく情が無くなった妻を憎むようになった。
その憎しみが不倫へと走らせる事になる。
裏切られた妻は愛人に対して攻撃的になり夫はその人を庇うようになる。
夫ジノンは妻と暮らすことに疲れを覚え妻に対して自分の人生に関わらないで欲しいと胸の内を吐き離婚を告げた。
受け入れない妻は夫と愛人がいる処でふたりに手をあげた。
その夜家に戻った夫婦は抑えきれない感情を部屋中の物に当たり散らし 夫は家を出た。
夫は愛人に癒しを求める様になった。
後日夫と愛人の目の前で妻は川に身を投げた。
すかさず飛び込んだ夫は必死で救助し息を吹き返した妻を抱きしめるとその姿を見ていた愛人は不安を感じた様子でいた。
夫は妻に二度とこんな事はするな。君が死んでも僕は何とも思わない。と顔を背けた。
夫の離婚の意思は固く遂に応じた妻だった。
義父は妻の為にと中国へ赴任させる。 夫と愛人も海外へと向かった。
そうして4年の月日が流れた。
帰国した夫と愛人は夫の実家へ向かった。
夫はアメリカから愛人はイギリスからの帰国だった。
ある日 偶然元夫婦は顔を合わせたが驚く夫に対して妻の反応は奇妙だった。
まるで面識が無い人の様な対応だったのだ。
そこには夫が知らされていない出来事があった。
妻ヘガンは中国で事故死したと親族は知らされていた。
しかし当時海外にいた夫には伏せられていたのだ。
そうとは知らない夫は元妻が気になって仕方なくなる。
感想
「愛人がいます」というタイトルからのイメージとは少し違う印象を受けましたね。
でも1話目から面白かったので一気に観ました。
貧しい暮らしを送っていた大学院生の女性カン・ソルリは一途に夫ジノンを愛していたのです。
しかし彼にとっては可愛い後輩という位置付けだったのですが 彼女からの告白で一気に意識する様になりやがて不倫関係になったのです。
妻がふたりの関係に気付き攻撃的な発言をする様になり 最初は片思いでもいいと言っていたソルリに火を点けた形になってしまいましたね。
妻は娘を亡くして更に義父の経営する会社の弁護士になってから非情な人間に変わっていきました。
夫は これ以上一緒に居ると心底妻を憎んでしまう。そうなる前に離れたいと思うようになるのですね。
妻と居る事に疲れを感じていくのです。
妻のヘガンは中国へ行く前に事故に遭っていました。
事情のあるひとりの女性が自分の車に発信機が取り付けられている事に気付き 近くに駐車していたヘガンの車を無断で運転したのです。
ヘガンはその女性が残した車を運転して追ったのですが その途中トラックに追突され そのまま崖下に転落したのです。
その後ヘガンは自力で這い上がり通りかかった車を止め救助を求めましたが 自分の名前が分からず手にしていた身分証を見せたのです。
しかしそれは車の所有者であるあの女性の物でした。
ヘガンは事故の衝撃で記憶を失っていたのですね。
一方 会社側は何故かヘガンは中国で死亡したとしてその遺骨が入っているという骨壺を持ち帰えり納骨堂へ納めたのです。
ですが彼女は一度も中国へ行っていなかったのです。
記憶を失くしたト・ヘガンを救助したのは弁護士のペク・ソクという男性でした。
彼は突如運転中の車の前に現れた女性ヘガンの姿が血まみれである事にも驚いたのですが その顔が高校時代交際していた初恋の女性と瓜二つであった事と身分証で勘違いをしたのです。
トッコ・ヨンギという初恋の女性だと思い込まれたヘガンはそのままペク・ソクの家で暮らすようになるのです。
そこは親のいない子達が住んでいてヘガンはヨンギ姉さんと呼ばれ次第に子供達と打ち解けていく様になるのですね。
ペク・ソクはヘガンが記憶を失っている事を知るのですが 初恋の人である事は疑っていないのですね。
ですからヨンギだと信じ込んでいるのです。
ヘガンも次第に自分はヨンギと言う名前なんだと思うようになるのですね。
ソクは何度も結婚しようと口にするのですがヘガンの返事が貰えずにいるのです。
それでも諦めず彼女を支えて勇気づけていくソクでしたね。
彼がヘガンに明るさと優しさや穏やかな日々を与えてくれたのでした。
ヘガンは徐々に変わっていきました。
以前の冷酷さは消え人間味のある人になっていくのです。
一方元夫のジノンと不倫相手だったソルリですが 4年経った今も結婚はしていませんでした。
アメリカへ渡ったふたりはその後研究の為ソルリがイギリスへ向かったのでした。
ソルリは帰国後ジノンの実家へ恋人として挨拶に出向いたのですが ジノンが急用で外出している時にひとりで父親に会い自己紹介したのです。
しかしその事を後で聞いたジノンはあまりいい顔はしませんでした。
ジノンは結婚に消極的なのです。
でもジノンの母はソルリと息子を結婚させようとするのですね。
結婚式の日取りだけでも決めようと言う母に対してジノンは焦らなくてもいいと答えるだけでした。
家族は元妻ヘガンの死亡の報せ(信じていた)をジノンには隠し通していたのです。
もし彼が知ればこの先誰とも結婚しないだろうと母親は感じていたのですね。
ソルリはヘガンに対しての意地がありました。
ふたりが離婚後自分が彼女から夫を奪ったとしてヘガンに謝罪していたのですが その時彼女に言われた言葉を忘れられずにいたのです。
「あなたは奪う方が一方的に悪いわけじゃない奪われる方にも責任があると言ったわね」
「今度はあなたが夫を奪われない様にする事ね」と。
更にもうひとつの不安はソルリ自身ジノンの愛を感じられずにいたのです。
彼女はジノンに
「一度も愛していると言ってくれない」
「プロポーズもしてくれない」と胸の内を吐きだしました。
それに対して言葉が出ないジノンなのです。
ジノンは離婚してもなおヘガンを忘れられずにいたのです。
憎しみは愛の裏返しだったのですね。
そして過去の行為を後悔しているのもジノンでした。
ですから帰国後ヘジンと偶然会った時から再び彼女を求めている自分に気付くのです。
しかし記憶を失っている事等思いもしないジノンなのです。
元妻によく似たその人はトッコ・ヨンギという名前だと知るのです。
ヘガンは自分を救ってくれたペク・ソクの仕事を手伝っていました。
ジノンは偶然出会った妻にそっくりなヨンギと名乗る女性を訪ねました。
本当に別人なのか?と思うその一方でヘガンの行方も探すのです。
そうしたジノンの行動にソルリは増々不安を抱き問い詰めたのです。
それに対して「ヘガンによく似ている人に出会った 確かめたいだけだ」と答えるジノンです。
それでも拭いきれない不安に彼女はジノンが急遽外出した後を着けました。
そこで見た人はヘガンにそっくりな女性だったのです。
しかもその隣にいた男性がソルリの良く知るペク・ソクだったのです。
彼女は二重の驚きと疑問を感じたのでした。
そして直接会い目の前の女性はヨンギであり記憶を失くしている事を知ります。
ソルリとソクは兄弟のように育ったのです。
ソクの父親は養護施設の院長をしていてそこにソルリが入所してからソクを兄の様に慕っていたのです。
更にソクの初恋の人がトッコ・ヨンギである事も知っていたソルリでした。
彼女は目の前の女性が本当にヨンギなのかを確かめる為 高校時代の事を質問するのですが 記憶を失くしていると説明され ソクもまたそれを認めていたのです。
元夫ジノンはヨンギがどうしても妻ヘガンであるとしか思えなくなってきました。
まるでストーカーの様に彼女の周りに現れるのです。
真相を確認したいジノンは会社でヘガンの行き先を尋ねるのですが 中国にいるとだけ教えられます。
ですが 今電話をしても休暇中だから出ないだろうという返答なのです。
会社側はヘガンは死亡したとして遺骨迄持ち帰っていたのですが それ以上の事はひたすら隠そうとしていますね。
どうしてもヘガンの行く先を知りたいジノンでした。
そんな様子を見ていた彼の義理の兄がヘガンの母親の住居を教えました。
早速出向いたジノンは母親から娘は再婚して幸せに暮らしているというメモを渡されたのです。
ヘガンの母は娘が死亡したと聞かされた時ショックのあまり失語症になっていたのです。
会社も母親に娘の死亡(虚偽)を伝えていたのですね。
母は不倫の末 娘を捨てたジノンを恨んでいたので 聞かされていた死亡の事は教えず再婚したと伝えたのです。
夫に裏切られ死亡したという娘が不憫だったのかもしれませんね。
母親がついた嘘とは知らず「再婚した」というその文字にジノンはショックを受けました。
ヨンギの存在とジノンの態度にソルリは結婚を急ぎ親族の顔合わせを行う事にします。
しかし自分がいくら言っても事を勧めないジノンに対して強硬手段をとるのです。
その為に必要な人がヘガンに瓜二つのヨンギでした。
彼女の誘いならジノンは応じると読んだソルリは嘘をついて彼を食事に誘ってほしいと頼むのです。
自分の周りを離れないジノンに対して困り果てていた矢先でもあったので 受け入れたヨンギでした。
ヨンギをヘガンだと信じ込むジノンは当日彼女に会えると喜び 指定された店に出向き部屋の扉を開けます。
しかしそこに居たのはヨンギひとりではなく両家親族の顔だったのです。
ソルリの育ての親である院長とその息子ソク そしてソクの恋人として隣に座っていたのはヨンギでした。
席に座ったジノンでしたがその怒りの糸が切れたのです。
突然立ち上がりヨンギをしっかりと見つめたまま言いました。
「結婚はしない」
「僕が愛しているのは妻だ」
「心から妻を愛している」
そう言い残して部屋を出て行ったのです。
ジノンは確信を持つのです。
ヨンギはヘガンであると。
そして彼は今の彼女に再び恋をするのでした。
ヨンギもまた彼を見ると胸が痛みその理由を探るのです。
ふたりは学生時代の様に恋をし愛を感じるのでした。
ですがそんな中ジノンは知る事になるのですね。
ヘガンが亡くなっている事を。
それからのジノンは納骨堂から離れなくなりヨンギは別人だったと思い知り彼女から遠ざかるのです。
ですが数日後またしてもジノンは翻弄されるのです。
妻の骨壺が空だったのです。
そこで再び「妻は生きている!」と確信を持つのです。
誰が何のためにこんな事をしたのか・・妻が死んだ事になっているのは何故だ・・
身内の誰もが妻の死を疑ってはいなかったのです。
ドラマは妻が勤務しジノンの父が会長を務めている製薬会社の薬に依って障害が起きたという訴えがあり 臨床結果の改ざんをしていた事実があった事で記憶を失う前に妻がその事実を隠蔽していたという展開になるのですね。
また妻には双子の妹がいた事も分かってくるのです。
妹は製薬会社の工場で働いていてお腹の中には婚約者との赤ちゃんがいたのです。
しかし婚約者は副作用が起きる薬に対して内部告発をしたとして訴えられその後殺害されたのです。
記憶を失う以前のヘガンは会社側の弁護士としてその裁判を担当し勝訴していたのですね。
ジノンはヨンギを元妻ヘガンだと確信してから今の彼女(記憶を失くしているヘガン)との思い出を作ろうとします。
記憶が戻ったら離婚の事も亡くした娘の事など 苦しむ妻を想像出来 また自分を許してはくれないだろうと思うのです。
それでも今のこの楽しい記憶が残ればきっと妻は乗り越えられるのではないかと そう信じるのでした。
ですがその後記憶が戻ったヘガンとジノンには何度も気持ちのすれ違いが起こりましたね。
夫ジノンはもう二度と妻を手放さないと決心するのですがその思いを通すことが出来い事態になるのです。
そしてヘガンをヨンギだと思い込んでいたソクも ヘガンがジノンの妻だったと知った後も彼女を諦められずとても苦しむのです。
ヘガンがなぜ死んだ事にされたのかは双子の妹との関係があったのです。
終盤は泣けるシーンが何度もありましたね。
面白かったです☆
最後まで読んでいただきありがとうございました♪