韓国ドラマ「女の香り」を観て
2011年
配信全16話(1話約64分)
「簡単あらすじ」
旅行会社に勤めるイ・ヨンジェ34歳 独身 ・彼氏なし・母と二人暮らし 会社で上司のパワハラに悩まされていた。
ヨンジェが勤める会社の会長の息子で本部長カン・ジウクには 親同士が決めた婚約者がいる。
ジウクは仕事に対してやる気がなく結婚も会社の為とどこか無関心の様だった。
ヨンジェは乗り合わせたタクシーの事故に依り検査を受けた際に自分の病気を知る。
担当医師は彼女の小学校時代の同級生ウンソクだった。
後日の精密検査で告げられたのは胆嚢がんの末期であるという衝撃的な言葉だった。
更には転移も認められ手術をしても回復が難しいと告げられる。
そして余命6ヶ月と知る。
ヨンジェは絶望の中決意する。
死ぬまでにやりたい事を決めるバケットリストを作りそこに20の項目をメモした。
そうしてひとつひとつやり終えていく。
病気を知りひとり旅に出かけたヨンジェは偶然その地でジウクと遭遇した。
ツアーの下見に来ていたのだ。
実はジウクを初めて見た時から一目ぼれをしていたヨンジェは胸がときめいていた。
その旅先での出会いがきっかけになりふたりは徐々に近づきやがて愛し合うようになる。
しかしヨンジェは自分の病気を隠していた為やがて来る別れが辛くなりジウクから離れる事にするのだった。
感想
ヨンジェは病気の事を誰にも話さずにいました。
母親にも伝えていなかったのです。
その理由はヨンジェの父もガンで他界していたのですがその時の母親の落胆ぶりと悲しむ姿を 間近で見ていたため 再び同じ想いをさせたくはないという彼女なりの気遣いからの決断だったのですね。
ヨンジェはアメリカ在住のピアニストの来韓を受け名所を案内する事になったのです。
しかしそこで事件が起きたのです。
ピアニストの男性の大切な指輪が消え ヨンジェが盗んだと冤罪を掛けられたのです。
男性はあの指輪が無いとピアノが弾けないと怒りを彼女にぶつけました。
聞きつけてやって来たのはジウクの婚約者でしたが 必死で否定するヨンジェの言葉に耳を貸さず一方的に彼女は犯人にさせられたのです。
これが後にヨンジェに対しての賠償責任にまで発展するのですね。
この婚約者の女性は多額の請求を求め訴訟を起こすのです。
そしてその頃には指輪紛失の件だけではない彼女のヨンジェに対する執拗な感情があったのです。
指輪を失くした男性はそのまま帰国する事になったのですが その途中でなんと指輪が彼の着ているセーターに絡まっていた事に気付くのです。
しかし男性は指輪を手にしても自らヨンジェへの疑いを撤回する事はしませんでした。
そのまま帰国してしまいその後も素知らぬ顔をしていたのです。
ヨンジェとの出会いはジウクにとって悩ましい問題でもあったのですね。
政略的とは言え婚約者がいて婚約発表の日程を決める段階でもあったのです。
ジウクは本気で愛し始めたヨンジェを忘れる事が出来ず遂に破談を口にしたのです。
しかも両家が集まる場所での事でした。
彼のその言葉にショックを受けた相手の父親は倒れ ジウクの父からも厳しく叱責されたのです。
婚約者の女性は彼が破談を言い出した原因がヨンジェにあると察し 彼女に敵意を向けるのでした。
一方ヨンジェは死ぬまでにやりたい20の事というバケットリストを作っていましたね。
- 一日一回母を笑顔にする
- 自分を虐めた人達に復讐する
- タンゴを習う
- 食べたい物や欲しい物を我慢しない
- 素敵なプロポーズをされる
- 母を再婚させる
- ウェディングドレスを着る
- クリスマスイブにキスをする
・・・・
・・・・
最期に愛する人の胸の中で目を閉じる・・・
こんな風に書き止めひとつひとつ実現させる為行動的になるのでした。
実はそれまでのヨンジェは言いたいことも言えずにいたり お金を貯める為贅沢は一斉せずかなり質素な人だったのですね。
ですからこのリストは彼女にとってかなりの勇気が必要だったのだと思います。
ヨンジェを支えてくれたのは唯一病気を知る医師のウンソクでした。
小学校の同級生だった彼と病院で再会したヨンジェは自分の不安な気持ちや ジウクへの想いを聞いてもらうのです。
定期的な抗がん剤治療の日には出張だと母に嘘をついて病院に来るヨンジェに対し 未だに母親に秘密にしている事に心配するウンソクだったのです。
ヨンジェの病気は進行していました。
腫瘍が大きくなっていたのです。
ヨンジェの心境は自分の死によって受けるジウクの苦しみへの不安と心配でした。
ヨンジェは彼から離れる事にするのです。
ですがジウクは病気の事を知ってしまうのですね。
そして彼を苦しめたのはヨンジェの死を乗り越える自信がないという自分の率直な気持ちでした。
彼もまたヨンジェを避ける様になるのです。
ヨンジェはどうしようもない恐怖心に耐えられずウンソクに「生きたい」と訴えるのでした。
ヨンジェは未だに母に病気の事を話せずにいましたが 母が事実を知って自分がいなくなっても側で支えてくれる人がいて欲しいという想いからある人物を尋ねるのです。
それはヨンジェの中学時代の教師でした。
その頃教師は母に好意を持っていたのですが ふたりは別れたのですね。
でも実は今もまだ母の事を好きでいてくれると知り側にいて欲しいと願うのです。
同じ病室に入院している若い女性がいたのですが その人の母親が外国から娘に会いにやって来ました。
そうしてヨンジェが未だに母に病気を伝えていないと知りその人は 親の立場で考えて欲しいと言ったのです。
娘がひとりで病と闘って苦しんでいた事を知らずにいる事は 親としてとても辛いと。
それは親にとって取り返しの付かない後悔を与える事にもなるのですね。
その言葉を聞いてヨンジェは母に打ち明ける決心をするのです。
離れたヨンジェとジウクでしたが ある日ジウクは事故に遭ってしまうのです。
それはヨンジェを助ける為でした。
その時ジウクは気付いたのです。
自分が先に死ぬことがあるのかもしれないと。
こんな風に事故に遭って命を失くす事もあるかもしれないと。
もしもそうなった時愛する人の側にいなかった事を後悔するかもしれないと。
避け続けたままもしも自分の身に死が訪れたら どれ程の後悔を覚えるか・・・
そしてヨンジェもまた同じでした。
辛い思いをさせたくないと離れたけれど突然のジウクの事故に側にいなかった事への後悔が押し寄せたのですね。
どんな時でも側にいたいとふたりは心の底からそう思えたのでした。
ジウクはヨンジェのバケットリストを知ります。
自分に出来る事を叶えようとするのです。
ヨンジェに対しての治療方針の選択を迫られます。
そこには母親と教師・ジウクの姿がありました。
ひとつは治療を止めこのまま静かに時を過ごすか
もうひとつは結果は分からないけれど臨床実験としての新薬を試みるかでした。
母は自分はとても決められないとしジウクに委ねたのです。
ジウクはかなり悩み抜きましたがヨンジェとふたりで決めたのです。
一見すると重い内容の様に感じますが 実はそんな事はなく適度に笑いありの面白いドラマでしたね。
ヨンジェとジウクが愛し合うようになるきっかけとなった旅先ですが 沖縄という設定でした。
日本語でのセリフが多くヨンジェの発音がとてもきれいで日本語が上手いなぁと思いましたね。
私が思わず泣いてしまったのは 母親と教師との場面でしたが この先の人生ふたりで生きて行こうという内容の最後にアップになった手を繋ぐシーンでした。
戸惑いながらも手を繋ぐふたりの温かさにジーンとしましたね。(^^ゞ
最後まで読んでいただきありがとうございました♪