韓国ドラマ「結婚契約」を観て
2016年
配信全16話(1話約64分)
「簡単あらすじ」
カン・ヘスは亡き夫が残した借金返済の為に一人娘のウンソンを抱え寝る間も惜しみ働いていた。
しかし一向に借金が減らず取り立て屋に追われる日々だった。
ハン・ジフンは大手食品業「ハンナム食品」の会長の次男で本部長である。
結婚そのものに懐疑的で独身を貫いている。
ハンナム食品が経営するレストランの従業員募集に応募したヘス。
従業員の中にヘスの知人がおり彼の推薦もあって彼女は調理の補助として雇われる事になった。
しかし家には取り立て屋が夜遅くまで張り込んでいる為 仕事が終わっても帰宅出来ず 娘をなだめながら時間を潰していた。
娘が寝始めヘスは閉店後のレストランに入り身体を休めることにした。
誰もいないと思っていたが話し声が聞こえてきた。
そこに居たジフンとマネージャーのふたりの会話を耳にする。
それはヘスにとって誘惑的な言葉だった。
期間限定・結婚・契約・大金・偽装・・
ジフンたちはヘスに会話を聴かれた事に気付きどこまで聞いたのかと詰め寄る。
追いつめられたヘスの口から出た言葉は驚くものだった。
「その結婚・・私としましょう 私がします」
感想
ヘスとジフンの出会いは従業員に採用される少し前でしたね。
ジフンが運転する車の前に飛び出した娘のウンソンを庇い倒れたヘスでした。
病院へ運びヘスも娘にも怪我はなかったのですが 彼女を追っている取り立て屋が現れジフンはそこで彼女には借金がある事を知るのです。
彼は誤解しましたね。ヘスはお金目当ての当たり屋だと。
車に接触もしていないのに倒れて気を失ったヘスに対して 後で難癖を付けられない様にと精密検査を直ぐに受ける様に言います。
しかしヘスは大丈夫ですと言い 頑なに断るのです。
娘のウンソンもおじさんに轢かれたとジフンを睨むのでした。
どうせお金が欲しいのだろうと思い込んだジフンは帰り際ヘスにお札を握らせ去って行ったのです。
ジフンが偽装結婚を考えた理由は母の為でした。
母親と父は愛人関係だったのです。
大手企業の会長である父親は若い頃芸能の世界に居た母と不倫関係になりジフンを儲けました。
しかし彼が中学生の時に母はジフンを手放し父親の元へ行かせたのです。
自分を捨てた母親に対して恨みを感じていたのですが その母が肝臓移植が必要になり やはりなんとかして助けたいと思うジフンでしたね。
でも親子でも適合しなかった彼は母親の唯一の血縁者である兄(伯父)に移植をお願いするのですが 過去にあった母との確執を理由に断られるのです。
身内でなければ移植は難しいとされ考え出したのが 偽装結婚だったのですね。
取り合えず書類上夫婦になり移植が済めば離婚すればいいと結論付けました。
親友でレストランのマネージャーでもある男性に条件にあう人を探して欲しいと依頼するのですがなかなか見つからず 自分たちの話を聞いていたヘスに偽装結婚を承諾してもらったのですね。
お金が必要なヘスと母親の肝移植を願うジフンの利害が一致しふたりは婚姻届けを提出したのです。
ヘスには借金返済の他にもうひとつ大金が必要な理由がありましたね。
彼女は偽装結婚を承諾するためにジフンに要求したのは娘のウンソンが成人するまでに必要な額でした。
娘がお金に不自由なく暮らせるという約束がどうしても必要だったのです。
彼女の要求を受け入れたジフンですが その後が大変でしたね。
息子の嫁からの移植という事で書類審査と面接が行われるのです。
結婚を偽装して移植する人がいる為調査をするのですね。
まさしくふたりは偽装なのですが 悟られない様にとお互いの事を知る為に事前に用意した書類の中身を暗記し ふたりの出会いを作り上げたりとその準備に取り掛かるのです。
そうして難関が訪れます。
娘のウンソンです。
ウンソンはジフンの事が嫌いだったのですね。
その子に自分をパパと呼ばせなければならないし 親子である事を示さなければならいのでなんとか仲良くなろうと必死なジフンでした。
子供はウソを付きませんしヘスも嘘など付かせたくないですよね。
面接の日までに親しくなりたいジフンでした。
結婚に対して夢も希望も抱いていないジフンにも徐々に変化が生まれてきましたね。
ヘスの事を最初はお金が必要な当たり屋だと思い込んでいたけれど接する機会が多くなる度に偏見だった意識が変わって行くのです。
そして娘のウンソンが冷酷な面を持っていた彼の心に温かい風を送り込むのですね。
いつしかヘスとウンソンの存在が大切になってくるジフンなのです。
でも厳しい父親に肝移植の為の偽装結婚を知られてしまい その行為が違法である事から父親はヘスに対して息子から離れる様に告げました。
ヘスとしては移植をしなければ残りのお金を受け取れない為 父親の要望を受け入れる訳にはいかないのですね。
そのお金がなければ娘の将来が心配でヘスは必死の思いなのです。
父親はヘスをお金の為なら何でもする強かな人間だと思っているのですね。
息子は騙されているのだと決めつけたのです。
ヘスには秘密がありました。
自分の事はどんな風に思われても構わない 違法と分かっていてもお金を手にしたいのは 娘の為に将来の保障と安心が欲しかったからでした。
ヘスは30歳を前にしたシングルマザーですが 夫を亡くしてからの彼女の苦労はお金が無い為どんな職種であろうと選ぶ余裕など無かった生活でした。
その為一度はジフンにも生活の面から底辺だと蔑まされた事もあったのです。
それでもお金を手に入れたいヘスでした。
何故ならヘスには時間が無かったのです。
娘のウンソンが成人するまで彼女は生きられる保証がありませんでした。
体調不良で検査を受けた時に脳に腫瘍が見つかり手術するには危険が大きい場所だったのです。
その為5年の生存率30%であると告げられ 娘に遺して置きたいお金を1日でも早く手にする事が彼女の目標の全てになったのですね。
そんな彼女の願いに反する様に若さ故か病の進行が早まっていくのです。
ヘスとジフンの出会いはお互いに足りない物を補う関係でした。
そして最も補い合ったと言えば お互いの心の中に出来ていた寂しさと必要だった温かさでしたね。
ヘスの人生は長くはないのですがジフンと娘のウンソンがその時間を精一杯埋めてくれる様です。
ヘスはウンソンを亡き夫の母に託す事にしました。
義母は娘を本当に愛してくれるし先立った息子の面影と共に孫であるウンソンを大事にしてくれると確信があったのですね。
ウンソンはこの頃はすっかりジフンをパパと呼び懐いて居ましたが やはり彼に娘を預ける事は躊躇したのでしょか …
彼の将来も考えて娘が足枷にならないようにと気付かったのでしょうか…
ヘスはジフンにこう言いました。
「ウンソンのあしながおじさんになってほしい」と。
娘の暮らしをそして成長を 遠くから近くから見守って欲しいと言う願いを伝えたのでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪