2014年
配信 1時間53分
「簡単あらすじ」
セクハラ疑惑を受け一時期大学を離れた教授のハッキュは小さな町の生涯教育センターで小説クラスの講義をする事になった。
その町で耳の不自由な母親と暮らすドクと出会う。
ふたりはやがて噂になる程一緒にいる姿を見られる様になり愛欲に溺れて行く。
しかしハッキュの復職を機に終わりを迎える。
その別れはドクにとって非常に辛くハッキュから裏切られた形になり 同時に母親も失う事になった。
そうして数年後お互いの環境が大きく変化する中再会するが ドクの胸の内はハッキュへの深い憎しみに覆われていた。
感想
映画でしたので一気に観終えましたね。
ソウルの大学を追われるような形で田舎町に赴任してきたハッキュには妻との間にひとり娘がいました。
妻は鬱気味で娘の前でも暗い表情が多かった様です。
夫のセクハラ疑惑にも心を病みまた疑いを消せず 薬の服用は必須だったのですね。
そんな家族を置き単身赴任の状態だったハッキュはその町にある遊園地のチケット売り場で働くドクと出会ったのです。
やがてお互いを激しく求め合いドクは本気で彼を愛し「絶対に離れない」と強い気持ちを伝えるのですが ハッキュからの言葉はないのですね。
ふたりの関係は町の人達の噂にも上る程だったのです。
耳の不自由な母も近所の人たちの雰囲気で娘の事を察していくのです。
ですがある日一本の電話がハッキュの元に入るのです。
セクハラ疑惑が誤解だという証拠が出てハッキュは復職する事になったというのです。
ホッとした様に帰り支度をする彼の元にドクはある事実を告げました。
「妊娠した」と。
一瞬で顔を曇らせるハッキュはその後ドクを伴い病院を訪ねました。
中絶手術をしたのです。

ソウルへ戻ったハッキュは日常を取り戻していました。
同じ頃ドクは彼からの連絡を待ち続けていましたが 一向に来る気配が無いのです。
我慢出来ずに大学に迎い彼を待つドク。
彼女の姿を見つけたハッキュは戸惑いながらも 後で連絡するからと言い聞かせ帰したのです。
漸く彼が訪ねて来ました。
夕飯の支度をしていたドクは窓の外にハッキュの姿を見つけ喜びの余り調理途中で部屋を飛び出したのです。
ずっと待っていたと気持ちをぶつけるドクに対して彼はある物を渡したのです。
それは大金の入った封筒でした。
そして「オレを待つな」と告げたのです。
喜びから一転彼の冷たい言葉に怒りがあふれたドクは
「大学や奥さんにバレるから?!」
「不倫や妊娠を知られたくないから?!」
「ずっと待ってたのに」と泣きながら叫ぶのです。
ハッキュは
「終わりにしよう 君の望み通りには出来ない」
そう答えたのです。
その時でした。
部屋の中から火の手が上がったのです。
中には母がひとりいて逃げられずにいました。
ドクは直ぐ駆け付けたのですが母を救出する事は出来ませんでした。
火事を目の当たりにしていたハッキュは消防署への通報の後 娘からの電話でソウルの自宅へ急ぎました。
妻の姿が見えない事に不安が過り部屋のドアを開けた瞬間 思わず娘の目を覆ったハッキュでした。
目の前には自ら命を絶った妻がいたのです。

妻を亡くしまた全焼したドクの家を見てから彼の生活が変化していくのです。
お酒に溺れ賭博に嵌りタバコを止められず挙句の果てには投資に失敗し多額の借金を抱えていくのです。
高校生になった娘も反抗的で夜遊びする様になるのです。
しかし大学の仕事の傍ら小説を書いていた彼はその本の売れ行きが伸び印税を手にするようになっていたのですね。
借金の返済を済ませても彼の素行が改善される事は無かったのです。
ですがハッキュには異変が起き始めていたのです。
彼は徐々に目が悪くなり人の顔もぼんやりとしか認識出来ないまで病気が進行していたのですね。
病院では長年の喫煙や飲酒が原因のひとつであり 症状を遅らせる事しか出来ないと宣告されたのです。
直ぐにそれらを止める事が大事だと言われたにも拘わらずハッキュは一向に止める気配を見せず 遂に人の手を借りなければ薬も飲めない程に進行していったのです。
そんな彼の手足となってくれたのが向に住むユン・セジョンという女性でした。
娘と仲が良くて日頃から行き来していたのですね。
彼女は小説を書くハッキュの代筆もする様になり彼もセジョンなしでは生活が不自由になる程頼る様になっていたのです。
娘はそんなふたりに複雑な感情を覚えセジョンにこう言いました。
「セジョンさんを見てると母親ってこんな感じなのかなって思う」
「でも・・お父さんと結婚はしないで」と。
セジョンは結婚はしないと応えたのです。
ですがある夜 娘は見てしまったのです。
父親とセジョンが愛し合う姿を。

セジョンは病状が悪化するハッキュを知り合いの眼科医に診て貰う事にしました。
そこで手術をすれば見える様になると言われそれまで薬を服用し手術を待つ事になったのです。
ですがその費用について心配だったハッキュはセジョンが用意すると言う好意を断り賭博場へ連れて行って欲しいと頼んだのです。
セジョンは言われるがまま車を走らせました。
そしてまた彼の悪癖が出始めたのですね。
最初は賭けに応じて儲けたのですが そこで引くことはせず更に儲けをと欲を出した結果 徐々に負けが込んでしまったのです。
そうなるとそれを取り返す為にと止められず賭け続け遂に大きな借金を背負う羽目になってしまいました。
それからは借金取りが自宅に押し掛け暴力を受けそのままある誓約書に判を押す様促され 断り続けると有無を言わさず無理やり押印させられてしまったのです。
その誓約書とは娘を売る内容だったのです。
そうしてある日娘は拉致され日本へ連れ去られてしまいました。
娘がそんな状態になっているとは知らされていないハッキュは家の中を探し回る日々が続くのです。
そしてそんな彼の姿を見つめるセジョンは何故か笑みを浮かべていたのです。

ハッキュに対して態度が一変していくセジョン。
目が見えない彼の食事にはタバコの灰を落としたり傷んだ食材を入れたりする様になったのです。
そうして彼は知る事になるのです。
セジョンが実はあのドクであったと。
ドクはこれまで抱えて来た深い恨みをハッキュにぶつけました。
中絶や母親の死など全てハッキュのせいだと。
母の死後自分がどんな環境で生きなければならなかったか。
どんな事でもしてきたと。
それなのにハッキュと言えばお酒を飲み女性と関係を持ち続け好き勝手に生きている。
それを知りどれ程煮えたぎる想いを抱いたかと。
それに対してハッキュは薄々察してはいた様ですが セジョンがドクではない事を願っていたと応えたのです。
ドクはハッキュを最も陥れる言葉を続けたのです。
「娘は死んだ 遺体も見つかっていない」と。
それ以来彼は生きる意味を見失ってしまうのです。
ドクは部屋に男性を入れ平気で行為をする様になってもいました。
雰囲気でそれと察したハッキュですが既に怒りも嫉妬も感じない程 娘が消えた日から抜け殻の様になっていたのです。
ハッキュは思いました。
「それでも自分にはドクが必要だ」と。
ドクもまた憎みながらも復讐しながらもハッキュの姿に涙が零れるのでした。
そんなふたりの前に驚く人物が現れたのです。
ハッキュの娘チョン。
もっとも驚いたのはハッキュの借金の肩代わりとして日本に売られ帰国出来る日は遠いと思い込んでいたドクだったのです。
ですから死んだと嘘を付けたのですね。
更に驚くのは帰国の目的でした。
チョンは父親を苦しめているドクに復讐をする為に戻ったのでした。
しかも金銭的にも力強いバックを得て。

娘チョンは全て知ったのですね。
ドクが父の目の薬として毎日飲ませていたのは実は逆効果の薬であった事。
手術費用を工面したくて賭博場に通い故意に儲けさせた後多額の負債を負わせ父を追いこんだ事など。
そして自分(娘)を売った事。
それは日本で出会った男性が全て借金を返済してくれた為そちら側に着いた金貸しの男が それまでドクの復讐に手を貸してきた男だったという訳です。
チョンは復讐を始めました。
最もドクを苦しめるその復讐を。
ドクが紹介した眼科医が暴漢に襲われました。
慌てたドクが病院へ駆けつけるとそこにいたのはチョンとバックの男達。
ハッキュの身を案じたドクは会わせて欲しいとひと言告げました。
すると娘のチョンが応えたのです。
「あなたの目で会わせてあげる」と。
病室にいたハッキュに涙が溢れるドクでした。
最後まで悪い男でいてよと泣くドクです。
しかし直後ふたりは意識を失ったのです。
数日後ハッキュとドクは水辺のベンチに座っていました。
ハッキュはしっかりとドクを見つめています。
角膜移植で視力が戻ったのです。
それは娘が依頼した闇の医者によって行われたのですね。
ですが隣に座るドクは目を開ける事が出来ずにいるのです。
彼女は視力を失ったのです。
ハッキュはその理由を知っているのでしょうか。
彼女を見つめ静かに「ドク 愛してる」と囁いたのです。

韓国の映画はほとんど観ないですが「愛のタリオ」はタリオってなんだ?ってところから入り結局観てみました。
因みに「タリオ」は自分が受けた害と同じ害を相手に与えるという意味合いらしいですね。
目には目を歯には歯をという解釈だと思います。
映画ならではと言うべきなのか性描写が結構ハードでしたね。
テレビでは無理だろうなぁと思うR指定でしたからそれなりの際どいシーンでした。
「愛のタリオ」の最後のシーンは切なかったですね。
娘の復讐はドクの角膜を父親に移植という物でしたね。
ドクを見つめるハッキュは悲し気でもありました。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪

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